さくらももこ「国民的漫画家の個人的な生き方」(1)“現代の枕草子”生みの親のクールな視点

自他ともに認める“怠惰な性格”のさくらももこ(本名・非公表)は「“高校生になったら、漫画を描いて投稿しよう”と思っていた」(「ひとりずもう」さくらももこ、以下同)にもかかわらず、「何もせずにヘラヘラと毎日を過ごし」ていたが、高校二年が終わった春休み、失恋をきっかけに漫画を描き始める。
正統派の少女漫画を送って落選したももこに決定的な転機をもたらしたのは、高三の夏、短大推薦の模試で書いた作文だった。「エッセイ風のこの文体は、とても高校生の書いたものとは思えない。清少納言が現代に来て書いたようだ」と激賞されたのである。
うれしさのあまり「学校から帰るとすぐに風呂場に直行し、ホースで水を浴びた」ももこは…
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