著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

噺家の林家つる子は群馬の名門・県立高崎女子校卒 中央大落語研究会との衝撃的出会い

公開日: 更新日:

 次第にプロの落語家になりたいという気持ちが膨らんでいったが、その道筋が皆目わからない。周囲が就職活動を始めるのを見て、とりあえず自身もそれにならった。ちょうどリーマン・ショックが起きた時期だったのが、落語界に幸いした。この貴重な人材を逃さずに済んだからだ。企業が採用を絞る中、就活はうまくいかず、本当に進みたかった落語家への道を歩みだすことになった。

■林家正蔵に弟子入り

 落語家になるには師匠に弟子入りする必要がある。大学4年の秋から、つる子は寄席に通い詰めた。落語の勉強と、師匠を見つけるためだ。寄席の看板に墨で書かれた林家正蔵の文字に引きつけられた。襲名前のこぶ平の名はよく知っていた。つる子が子どもの頃、バラエティーによく出ていて、親しみやすさを感じていた。弟子入りを志願し、大学卒業から半年後、入門が許された。

 正蔵が荷物置き場に使っていた自宅横のマンションの部屋に住み込むようになった。朝8時半に正蔵宅に行き、身の回りの世話をした。修業時代の弟子たちが通る道である。親しみやすさより厳しさが上回っていた。365日、一日も休みがなかった。一人っ子だったつる子にはきつかったはずだが、そうした生活にも徐々に慣れ、5年後、一人前と認められる二つ目に昇進した。

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