ジャンルMIXなJホラーがこの夏のトレンド 注目は「近畿地方のある物件について」と「事故物件ゾク 恐い間取り」
もう1本は「リング」の中田秀夫監督による「事故物件ゾク 恐い間取り」。こちらは事故物件に住む芸人・松原タニシの実話を映像化したシリーズの最新作。タレント志望の主人公をSnow Manの渡辺翔太が演じ、彼は4つの事故物件で驚愕の体験をする。この作品が面白いのは、ホラーの部分を怖く描きながら、新人タレントの成長物語や畑芽育演じるヒロインとのラブロマンス、驚きのファンタジー的な展開まで、さまざまなエンタメの要素を詰め込んでいること。ホラーと青春映画、太極拳アクションを組み合わせて痛快な娯楽映画にした昨年の「サユリ」(24年)のように、今後のJホラーはジャンルをミックスさせることで、さらに魅力が広がっていく気がする。そういう意味でも同作が“ホラーベースの”エンタメ映画としてどう受け止められるか、気になるところだ。
(金澤誠/映画ライター)
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