日焼け対策をしているのに日焼けをしていく意外な理由
あるテレビ番組で、紫外線に関してのアンケート結果が紹介されていました。それによると「肌を紫外線から守ることを意識している人は70%超え。一方で、目を紫外線から守ることを意識している人は50%に満たなかった」そうなのです。
街を見渡してみれば、確かに日傘やキャップは多くの人が使っています。最近では首や口元もすべて日焼け防止グッズでぐるりと覆って目だけを出している人もよく見かけるようになりました。しかし、サングラス姿はまだ少ない。
みなさん、こんな経験はないでしょうか。「肌を出さずに徹底的にガードしていても、なぜか全身が日焼けしていく」。それは目をUVカット効果のあるサングラスで守っていないせいかもしれません。
屋外などで強い紫外線を浴びると、目を通して「紫外線が強い」という情報が脳に伝えられます。すると脳の下垂体から「メラニン色素をたくさん作って、紫外線から皮膚を守らないと!」という指令が飛ぶのです。
そうやってメラニン色素が増えると、皮膚の色は黒っぽく見えるようになります。この一連の流れがあるので、いくら肌を守っていても、目を守っていなければ日焼けしてしまうのです。われわれ眼科医はこれを「視覚による防御反応」と呼んでいます。