トランプ関税の混乱はこれからだ ハッキリ言ってこの株高は「真夏の夜の夢」

公開日: 更新日:
専制君主の恐喝関税で…(C)日刊ゲンダイ

 恐喝関税が招くのは米国の繁栄ではなく、インフレ。FRB議長を脅し、統計局長をクビにして、いよいよ、錯乱の大統領下で、あり得ないような株高が長続きするのか。日本市場も相互関税15%で浮かれているが、個人消費などメタメタの惨状。

  ◇  ◇  ◇

 世間がお盆休みに入る中、休み知らずの株高だ。13日の東京株式市場で、日経平均株価は史上初めて4万3000円台を上回り、過去最高値を連日で更新した。

 上げ幅が一時1100円を超えた前日には、心理的節目の4万3000円に迫ると利益確定売りが相次いだが、13日は寄り付きから買い注文が殺到し、軽々と「天井」を突破。前日の米国株上昇を好感した買いが広がり、前日比556円50銭高の4万3274円67銭で取引を終えた。

 これで日経平均は6営業日続伸。この間、実に約3000円も急騰している。市場関係者の多くは「次の目標は4万5000円だ」と勢いづいているが、日本企業の現状を考えれば実力以上の過熱感は否めない。

 直近6月の実質賃金は6カ月連続のマイナス。6月はボーナスの支給月で給与総額が大きく伸び、本来ならプラスに転じやすい。ところが、狂乱の値上げラッシュで給与の伸びが物価高に追いつかず「物価を上回る賃上げ」は常に掛け声倒れのまま。おかげで財布の紐は固くなり、個人消費はメタメタの惨状である。

 おまけにトランプ関税の負の影響が重くのしかかり、今期の上場企業の業績は6年ぶりに最終減益となる見通しだ。実態を反映していない株高には、うたかたの「バブル」の危うさが漂う。 

この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。

(残り2,263文字/全文2,939文字)

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手