大阪万博に募る「もしも」の不安…メトロ運転見合わせ帰宅困難者3万人、甘すぎる協会の対応総括
「全体としては、ある程度きちんとできたのではないか」──。13日夜に発生した地下鉄の運転見合わせで、大阪万博の会場(夢洲)に多数の来場者が足止めされた問題を巡り、日本国際博覧会協会(万博協会)の高科淳副事務総長は14日の会見で、そう総括した。あまりに甘い評価じゃないか。
運転を見合わせた大阪メトロ中央線は会場最寄りの夢洲駅につながる唯一の地下鉄。来場者の7割以上が利用する輸送の要で、入退場時の混雑ぶりが問題視されてきた。
帰宅する人で駅構内がごった返す午後9時半ごろ、送電線の不具合により全線で運転がストップ。雑踏事故を防ぐため、万博協会は午後9時45分ごろ来場者に「会場内での待機」をアナウンスし、午後10時過ぎに来場者を「会場内へ戻す」対応を取った。当時、駅周辺や会場内には約3万人が滞留していたという。
その後、帰宅困難者が出始めたため、14日未明にパビリオンや団体休憩所を開放した。実際に何人が一夜を過ごすハメになったのかは不明だ。
高科副事務総長は「来場者から何が起きているのか分からないという指摘も受けた」「アナウンスのタイミングが適切だったかなど今後、検証していかなければならない」と反省したが、一事が万事この調子である。