トットは伸びしろだらけ! ツッコミがうまくなればなるほど、ボケは生きてくる
その後も芽が出ない時期が続き、2010年ごろから、私が若手の劇場を指導するようになり、「もっとインパクトの強い言葉探せよ!」「まだまだボケ考えられるやろ? このへんでええかて、簡単に妥協してへんか?」と意識的にキツめのダメ出しを重ねていました。桑原君は、他のコンビへのダメ出しも私の後ろでずっと聞いていて、再結成後は明らかにやる気が違いました。
徐々に頭角を現し、ローカルでは受賞しはじめたものの、全国ネットでは……。それでも「もっと厳しい環境を求めて」東京へ進出。ネタを作っては改良を繰り返し、大きな笑いを取れるようにはなりましたが、それでもなかなか「M-1」には届かず……。さらに奮起して年間800回を超える舞台をこなし、「THE SECOND」優勝につながりました。
今回のネタも王道で、身近なこと、彼らの年代なら体験するであろうことを、お客さんにもイメージしやすい表現で笑いを取るスタイルでした。奇想天外というより、キャリアを重ねて練りに練った作品ともいえます。
電話した際、多田君には「ツッコミは職人やからもっともっとうまくなってやるという意識で稽古を続けや」と言うと「まだうまくなれますか?」と聞くので「伸びしろだらけ! ツッコミがうまくなればなるほど、ボケは生きてくるから頑張って!」「わかりました! 頑張ります!」と直立不動でスマホをかけている律義な姿が想像できました。
これから結婚など人生経験がそのままネタに還元されて、より多くのみなさんに喜んでもらえるいいコンビになっていくと思います。



















