ごく普通の人々が犯した最初で最後の犯罪とは?「わたしたちが泥棒になった理由」松尾由美著

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「わたしたちが泥棒になった理由」松尾由美著

 日曜の午後、実家の母から電話があり、亡き祖母の部屋を片付けていたら、「すみれさんへ」と書かれた分厚い封筒が出てきたので、そのまま宅配便で送るという。さらに母は、8年前の新聞の切り抜きが出てきたと話し出す。記事は高齢の女性が京都の大学の研究所に現れ、名乗りもせずに現金で1000万円を寄付したことを伝えるものだという。母の話からすみれは、8年前の出来事を思い出す。友人の見舞いで広島に行った帰りの新幹線から電話をかけてきた祖母は、すみれに広島のある企業の社長と某政治家の関係をネットで調べてくれと依頼。調べたことを伝えると、実はその社長の息子を誘拐したというのだ。(「おばあちゃんの旅」)

 ほかにも双子姉妹など、市井の人々が犯した人生最初で最後の犯罪を描くミステリー集。 (新潮社 693円)

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