ロス疑惑の反省…「オールドメディアはリベラルに甘い」が間違いなワケ
というわけで、海上保安庁の発表だったり、当事者の記者会見だったり、確実なところに行きつくということだ。
僕が取材で走り回っていた頃の大事件に「ロス疑惑」があった。米ロサンゼルスで妻が殺害された三浦和義氏が、当初の“悲劇の夫”から保険金殺人の首謀者へと浮上。後に日本の裁判で殺人未遂などについては有罪だったものの、保険金殺人については最高裁で無罪が確定。その後、米国の自治領サイパンで米警察に逮捕され、移送先のロサンゼルスの留置場内で自殺したとされている。
その当時の僕らの取材は乱暴だった。三浦氏がどんな人物かというので、事件に関係のないことまで細かく暴き立てた。例えば、当時はやった「愛人バンク」に登録していたといっては取材に行き、紹介を取り持ったバンク経営者を顔出しでインタビューしたり、スワップパーティーに参加していたという情報を聞けば、その主催者に話を聞いて参加時の写真までテレビで放送したものだ。また、愛人契約した女性の身元がわかると彼女のアルバイト先のペンションに押しかけ、ひと夏、そこで宿泊したりもした。これを聞いた先ほどの現役報道記者は呆れていた。
「今だったら、首がいくつあっても足りませんよ。考えられない!」
メディアの扱いの過多は議論されるべきだが、こうした洪水のような報道が正しいとは思えない。我ながら人権への配慮のない時代だったなぁと感じる。



















