著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

萩本欽一(13)母のおかずはみんなが残した魚の骨「真っ白になるまでしゃぶっていた」

公開日: 更新日:

たくあんを見ると激怒した父

増田「ご商売が順調になった時もあまりご自宅には帰ってこられなかった」

萩本「そうそうそうそう」

増田「そうなんですか」

萩本「ええ、それはあの、お母さんがご飯作んないもんだから。最初から、あのご飯作る、ね、会社の人にだから作ってもらってたんじゃない?」

増田「その時代ですから、週に1回帰ってきたときは父親が最初にご飯食べてみたいな順番とかやっぱりあったんですか」

萩本「え?」

増田「ご飯食べる順番。まず父親が食べ、長男が食べ」

萩本「母親はね、一緒に絶対食べない。俺が見た母親の姿は、いつもおかずに出た魚の骨をしゃぶってた。それで真っ白になってた。自分のおかずはないのよ。みんなが残すサンマの骨しゃぶりながらご飯食べてた。まあみんなにご飯食べさせて、あとは骨しゃぶってる姿しか見たことない。で、料理はあの、母親の手料理はないですからね。特に」

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