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増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

萩本欽一〈15〉「ネットで見られる『コント55号』は一番面白くないもの。なんでかっていうと…」

公開日: 更新日:

「『浅草にいた』って言うなって」

 作家・増田俊也氏による連載、各界レジェンドの生涯を聞きながら一代記を紡ぐ口述クロニクル。待望の第2弾は、「視聴率100%男」として昭和のテレビ界を席巻したコメディアンの萩本欽一氏です。

  ◇  ◇  ◇
 
増田「最近、YouTubeで昔のコント55号のコントを何本か見たんですが、深夜に1人でゲラゲラ笑ってしまいました。とにかく面白い。ぜひ55号の再放送もやってほしいですね」

萩本「でも俺からするとね、いまネットで見れるのはVTRがあるときのものだから『なんでそうなるの?』(正式名は『コント55号のなんでそうなるの?』)でのコントだと思うのね。でも正直言って55号で一番面白くないのが『なんでそうなるの?』のときのもの」

※『コント55号のなんでそうなるの?』:1968年から日本テレビ系列で放送された人気バラエティー番組。当時のテレビ界では異様な速度感を持った番組だった。それ以前のテレビ喜劇はクレージーキャッツ、寄席芸、舞台コントの延長線にあり、比較的段取りが見えていた。しかしコント55号は、暴走・脱線・怒鳴り・身体ギャグ・アドリブ風の崩壊を前面に出し、その混乱そのものを笑いにした。

増田「そうなんですか」

萩本「皆さん55号が最高の時でないのを見て『面白い!』って言ってくれるけど、もっと前のを見てほしかったなという思いがある」

増田「もっと前のものというと」

萩本「VTRがない時がおかしかったんだよね」

増田「じゃあテレビにもネット上にもないんですか」

萩本「ないない。VTRがないから」

増田「ネット上のものもものすごく面白いですけどね。ゲラゲラ笑いながら見ちゃう」 

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