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増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

萩本欽一〈17〉伝説の「コント55号」結成秘話「坂上二郎さんが嫌で、私、逃げ出してるんです」

公開日: 更新日:
一世を風靡した坂上二郎さんとのコント55号(C)日刊ゲンダイ

 作家・増田俊也氏による連載、各界レジェンドの生涯を聞きながら一代記を紡ぐ口述クロニクル。待望の第2弾は、「視聴率100%男」として昭和のテレビ界を席巻したコメディアンの萩本欽一氏です。

  ◇  ◇  ◇

増田「二郎さんとは仲が良かったわけじゃないんですか」

萩本「実はフランス座で結構やりあったんですよ」

増田「やりあったとは」

萩本「下の東洋劇場から私が上がってきたから」

増田「上がってきた?」

萩本「そうそう。1階の東洋劇場がストリップ中心で2階のフランス座が軽演劇やコントをやるところ*だったの。そこに『行け』って言われて、言ってみりゃ、会社でいうといきなりヒラ社員から支店長になったようなもんだもん。給料も一番最高の、一番高い2万円に増えるっていうんで」

※東洋劇場とフランス座:東洋劇場は浅草六区にあった大型ストリップ劇場。その内部(2階)に設けられていた軽演劇・コントの舞台部分がフランス座だった。つまり建物全体=東洋劇場.2階の軽演劇空間=フランス座という関係で、萩本欽一やビートたけしなど当時の多くの芸人がここの見習いから出発している。

増田「当時の2万っていうと」

萩本「今の60万ぐらいじゃないですか」

増田「それは若手芸人としてすごいですね」

萩本「はい。それで東洋劇場で『上、ちょっと下ネタだらけになってるから、奇麗にしてこい』って言われて、上行って。で、やっぱり二郎さんはその若者に負けてたまるかっていうんで、いきなりアドリブ合戦になっちゃったの」

増田「舞台で」

萩本「ええ」

増田「二郎さんが当時はフランス座のトップだったと」

萩本「いやいや、フランス座の若手だった」

増田「若手の売り出し中。ガンガンのころ」

萩本「そうそうそうそうそう。そこに私が入って。だから坂上二郎の主役と萩本欽一の主役が交代に行われたのね。だからライバルですよね」

増田「そのときにもう向こうから明らかに、まあ今でいうマウントっていう言葉がありますけど、潰しに、アドリブで」
 

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