(30)甲斐の風は凍えるよう
〈佐助と野武士〉
井楼の上から見る風景は、相変わらず殺伐としている。
山から吹き付ける風の冷たさに、少年、佐助はぶるる、と身を震わせた。暖かい駿河に慣れていた佐助にとって、甲斐の風は凍えるように感じられた。
毎日見ていた与作の骸は、既に真っ白い骨に変わって…
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