著者のコラム一覧
永井紗耶子

1977年、神奈川県出身。慶応義塾大学文学部卒。新聞記者、フリーライターを経て、2010年「絡繰り心中」で第11回小学館文庫小説賞を受賞し、デビュー。21年、「商う狼-江戸商人 杉本茂十郎-」で第40回新田次郎文学賞を受賞。23年、「木挽町のあだ討ち」で第36回山本周五郎賞と第169回直木賞のダブル受賞を果たす。近著に「青青といく」「めぐる糸」など。

(30)甲斐の風は凍えるよう

公開日: 更新日:
イラスト・遠藤拓人

〈佐助と野武士〉

 井楼の上から見る風景は、相変わらず殺伐としている。

 山から吹き付ける風の冷たさに、少年、佐助はぶるる、と身を震わせた。暖かい駿河に慣れていた佐助にとって、甲斐の風は凍えるように感じられた。

 毎日見ていた与作の骸は、既に真っ白い骨に変わって… 

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【連載】修羅にうたう

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