WOWOW「沈まぬ太陽」は民放では実現困難な力作ドラマだった
この後、物語の舞台は事故から24年前の1961年へと移る。国民航空に勤務する恩地元(上川隆也)は、労働組合の前委員長・八馬(板尾創路)の独断で、新たな組合委員長にされてしまう。それまではいわゆる“御用組合”であり、会社側の言いなりだった。だが、恩地は待遇だけでなく、職場環境の改善を訴える。
整備部門を視察した際、恩地は驚いた。人員不足に加えて、短時間での整備を強いられており、「いつ事故が起きてもおかしくない」状態だったのだ。生真面目で正義感の強い恩地は、安全運航を最優先する主張を繰り返して経営陣の反感を買う。その結果が約10年もの海外勤務、つまり不当な報復人事だった。
ドラマの後半は初回の冒頭で描かれた、御巣鷹の尾根の墜落事故からのスタートだった。長い“海外追放”を経て、ようやく帰国した恩地が、今度は「遺族係」として辛酸をなめることになる。
主演の上川は、かつて同じ山崎豊子原作の「大地の子」(NHK、1995~96年)で注目された俳優だ。「そんなに筋ばかり通していたら大変な目に遭うぞ」と見る側が心配になる恩地を熱演。タンザニアやドバイでのロケ映像もスケール感と臨場感を生んでいた。


















