漫画家・武田一義さんが今、思うこと「ペリリュー」なぜ170万部も売れたのか
デビュー作はがんの闘病記
そう、武田さんのデビュー作「さよならタマちゃん」は精巣から肺に転移したがんの闘病記だった。今の体調は?
「まったく問題ありません。でも、再発リスクが高いといわれる5年を過ぎた今も、年1回、“お守り”のような気持ちで検査を受けています。あと、体が資本なので徹夜は極力せず、1日7、8時間睡眠を心がけ、1日3食とるなど、わりあい規則正しい生活を送っています」
次回作が楽しみだ。
さて、北海道で両親、3人きょうだいの5人家族の長男として生まれた武田さんは、高校卒業後、おもちゃ屋などでアルバイト生活を送った後、28歳のとき一念発起。漫画家になろうと上京した。現在は埼玉県内で、4歳年上の漫画家・森和美さんと、パグとヨーキーのミックスの保護犬と暮らす。
「妻とは北海道の同人誌即売会で知り合いました。28歳で結婚し、一緒にアテもないまま上京したんです。僕は漫画家・奥浩哉先生のアシスタントになり、妻は主婦をしながら漫画家を目指し、15年に『エシカルンテ』という作品でデビューしました。2人とも夢をかなえたから良かったですが、今思えば、若いからできたんでしょうね(笑)。妻は、今は僕の漫画の共同制作者として、ストーリーの細かいエピソードを一緒に考えたり、絵の得意な部分を描いたりして、助けてくれています」
夫人と犬を散歩する時間に癒やされる日々だ。
(取材・文=中野裕子)
▼武田一義(たけだ・かずよし)1975年8月19日北海道岩見沢市生まれ。03年上京。12年、「さよならタマちゃん」(講談社)でデビュー。16年から「ペリリュー―楽園のゲルニカ―」(白泉社)の連載を始め、翌17年、第46回日本漫画家協会賞優秀賞受賞。26年、第30回手塚治虫文化賞特別賞受賞



















