(5)天下り指導教官の話はあるけれど…
施設警備員は年間で10時間の警備員としての教育を受けなければならない。これは警備会社が実施するもので「現任教育」と呼ばれるものだ。会社によって時間の割り振りがさまざまだが、私が所属する警備会社は春に4時間、秋に6時間の現任教育を実施している。1回に30人ほどの人数で本社近くの公共施設の会議室を借りて実施している。
大手の警備会社などは1回に50人程度で、自前の研修施設を所有している会社も少なくない。現任教育の教育担当者は警察関係の天下りの人が比較的多い。
まあ警備会社も警察が発注する仕事があったり、いろいろと便宜をはかってもらう機会があったりするため、警察OBを採用しているという面があるのかもしれない。そんな背景もあって、元警察署長で定年退職した指導役は自分の警察時代の自慢話を長々とする人もいた。私の勤務先も中小の警備会社だが指導役に定年退職した元警察官が2人いる。
現任教育の内訳は、春は午前中2時間(10時から正午)、昼休みを1時間取った後、午後も2時間(1時から3時)である。秋は午前中2時間(10時から正午)、昼休みを1時間取った後、午後は4時間(1時から5時)である。どんなことをするかと思えば午前中2時間は「今日は何の日?」ということでその日にまつわる話を30分ほどダラダラと話した後、残った時間は3分間スピーチと称する、受講者一人一人が好きなことをしゃべって1時間半ほどで午前中の講座が終わるのである。何ともラクな指導役である。この3分間スピーチ、自己紹介をする者、趣味の話をする者、政治経済について語る者などいろいろといるが、中には怪談話をする変わり者もいた。

















