「マリリン・モンロー 私の愛しかた」酒とセックスとマフィアに翻弄されたセックスシンボルの謎の死
ヒューマンラストシネマ有楽町ほか全国公開中
「彼女のキャリアをスタートさせたのはマフィアであり、彼女を終わらせたのもマフィアだった」
名優トニー・カーチスはマリリン・モンロー(本名:ノーマ・ジーン・モーテンソン)をこう評したという。本作のイアン・エアーズ監督がインタビューで明かしている。
マリリン・モンローは1926年に生まれ、62年に死亡した。わずか36年間の人生だった。映画「マリリン・モンロー 私の愛しかた」は彼女の幼少期から死に至るまでを様々な証言と映像を用いて構成したドキュメンタリーだ。
実は筆者はマリリン・モンローの女優としてのキャリアにはあまり興味はない。失礼ながら、女優というより男たちの目を引きつけた20世紀最大のセックスシンボルという印象が強いからだ。知性的な印象よりも、「七年目の浮気」のラストシーンのようにめくれたスカートに嬌声を上げる能天気なイメージが強い。
だが、それはマリリン・モンローの一断面に過ぎない。真の彼女は母親に見放され、父親の顔も知らず、幼児期に性的虐待を受けた。そんな中、映画界のスターになることだけを夢見ていていた。夢を実現するために幾人もの男たちに身を任せた。その中にはバグジーと呼ばれた有名なマフィアやチャーリー・チャップリンの息子もいた。