岸惠子が80歳で書いた「性愛」小説を読み返してみた
こんな言葉が出てくる。
「若いときの孤独は蜜のように甘いけれど、年をとってからの孤独はただの孤独よ」
ベストセラーになり、瀬戸内寂聴は「直木賞を取ると思った」と書いた。
女優になりたての頃、「サルトル」を読んでいたら、生意気だといわれたそうだ。文章がうまい。古今東西の古典への造詣が深い。ドキュメンタリー・プロデューサーとして世界中を“闊歩”した経験に裏打ちされた街や景色の描写が素晴らしい。
その後も「岸惠子自伝」(岩波書店)などの執筆活動を続け、8月7日、93歳でその華麗な生涯を閉じた。
映画「君の名は」(1953年封切り)のヒロイン氏家真知子を演じて大スターになったが、その座に甘んじる岸ではなかった。日仏合作映画に出演した縁でフランスに渡りイヴ・シャンピ監督と結婚&離婚。
恋多き女でも知られた。週刊文春(9月3日号)は「岸が愛した5人の男」の中で、最初にロマンスが報じられたのは鶴田浩二だったと報じている。しかし、鶴田には別に婚約者がいて、悩んだ鶴田が自殺未遂を起こした。


















