【桜納豆】これぞ熊本の肴 刺し身の残りで代用も
食家 螢(熊本・熊本市内)
馬肉を薬味と納豆で和えて食べる郷土料理。納豆は地元のマルキン納豆を使用。豆が大きくて臭みがないのが特長で、新鮮な馬肉との相性が最高だ。
「たれは濃い口醤油にみりんを和えて作ります。東京に行くとたれがしょっぱく感じます。みりんの甘味と深みでまろやかに仕上げるのが熊本好みかもしれませんね。うちでは馬肉をユッケのように細切りにして食べやすくしています。馬肉の代わりに白身のお魚でもおいしいですよ」と村岡さん。
味がさっぱりしているので純米酒のアテにもってこいだ。
もうひとつ定番が写真奥の「一文字ぐるぐる」。小ネギを軽く茹でて、根元部分を縦長に数回折り曲げ、それを軸に、残り部分をぐるぐる巻きつけただけ。砂糖、みりん、卵黄、酒などを加えた“たま味噌”に、酢と和がらしを加えた“味噌だれ”でいただく。
「ネギをぐるぐる巻くと、口当たりが良く、中からネギのぬめりが出てきておいしいんです」(村岡さん)と、食感に一家言あるのが熊本文化ともいえる。
《材料》
馬刺し 50グラム
納豆 半パック
うずらの卵 1個
大葉 1枚
アサツキ 4分の1束
ミョウガ 2分の1個
ショウガ 少々
きざみのり 少々
【たれ】
濃い口醤油 小さじ1
みりん 小さじ2分の1
《レシピ》
(1)馬刺しをユッケのような細切りに切る。
(2)アサツキは小口切り、ミョウガは千切り、ショウガはすりおろし、大葉、納豆、のり、うずらの卵を盛り付ける。
今日の達人 村岡恭臣さん
▽むらおか・やすおみ
食家 螢代表(料理担当)。KKRホテルなどでマルチに料理を体得したのち、実家の鮮魚店で1年ほど流通を学び、兄の祐次氏と現店舗を立ち上げる。一口大にしたブリ照り、クリームパスタなど、女性好みのメニューづくりに定評がある。
●食家 螢
実家が魚の卸問屋を営む料理人兄弟が2004年に立ち上げた創作居酒屋。次男の祐次氏が接客、三男の恭臣氏が料理の仕切り、長男が営む魚屋から、毎日新鮮な魚を仕入れ、オリジナリティーのあるメニューで人気。平日でも予約で満席になる熊本の超人気店。
熊本市中央区新市街3―21 ジャナス1ビル
℡096・327・2231