野球少年らに言いたい。ノックよりもキャッチボールに時間をかけよう、指導者は怒り方も研究して欲しい
父は身長178センチ。僕も中1で170センチ、中学3年間で15センチも背が伸びた。兄も僕も子供の頃から身長は高かったが、高校まで体重は軽く、ガリガリだった。
今でこそ中学生や小学生でも「食トレ」といって無理に食べる時代だが、小、中学時代は食べたいものを食べたいだけという環境。頭ごなしに言われるのが嫌いな僕が、野球を嫌いにならなかったのは、そんな自由な環境も関係している。
先頭に立ってチームを引っ張るリーダーシップがあるわけではないのに、なぜか小、中、大学とキャプテンに指名され、高校では副キャプテン。プロ入り後、阪神時代は2004、05年と選手会長を務めた。
所属したチーム全てでリーダーを任されたのは、おそらく、ある程度責任を持たせた方が頑張れるタイプだと思われたのだろう。
選手時代、「チームを引っ張るのは実力、成績だけや」と思っていた。言葉で何かを伝えるよりホームランを打った方が役に立つ。そう信じていた。ただ、指導者を経験してみると、誰かがいいプレーをしたら褒めるとか、怠慢プレーには怒るといった「言葉」も大切だと思うようになった。僕が主将を務めた学生時代は言葉が足りなかったと思う。