「不定愁訴」の原因は魚不? 18~27歳の日本女性対象の研究
身体的な異常がなくても、何となく体調が悪いと感じる状態は、しばしば「不定愁訴」と呼ばれます。このような不定愁訴は、男性よりも女性で発症することが多い傾向にあり、思春期や更年期におけるホルモン分泌の変化が関連していると考えられています。不定愁訴はまた、生活習慣と関連している可能性も示唆されていましたが、詳しいことはよく分かっていませんでした。そのような中、不定愁訴や抑うつ症状と食習慣の関連性を検討した研究論文が、栄養学の国際誌に2025年4月3日付で掲載されました。
この研究では、18~27歳の日本人女性86人が対象となりました。被験者に対してアンケートを実施し、食事の摂取内容に加え、抑うつ症状や不定愁訴の発生頻度が調査され、食事内容と各症状の関連性が分析されています。なお、不定愁訴の発生頻度は、26の症状に対して、全くない(0点)、時々(1点)、頻繁(2点)、常時(3点)の4段階で評価され、抑うつ症状は0~63点(点数が高いほど重症)で評価されました。
その結果、不定愁訴の発症頻度や抑うつの重症度が高い人では、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ビタミンD、ビタミンB12の摂取量が低いことが分かりました。これらの栄養素は魚介類に多く含まれていることが知られています。