医者にもかかれない人たち…令和の「貧窮問答歌」
家賃、食品、光熱費、水道代はどんどん値上がり。多くの高齢世帯は困窮しています。
お金がない、着ていく服がない、アシがない、そのため病気でも病院には来られない人がいっぱいいると思います。そんな人たちがどれぐらいいるのか、誰にも分かりません。
心臓手術を受けて、身体障害者として診療を受けていた患者さんがいて、すい臓がんになりました。そんな折、「心臓は元気になったでしょ!」ということで障害者手帳の更新を市役所に断られてしまいました。子どもはなく、奥さんには視覚障害がありました。まさに令和の「貧窮問答歌」です。
見事なまでの役所の弱い者いじめには頭が下がります。問い合わせへの責任逃れも鮮やかなものでした。その後、このご夫婦の姿を見かけません。
医者は病院に来なくなった患者さんには何もできないのです。
NHKに「ドクターG」という番組があります。昔のバージョンで2度ほど出演させていただきました。ウリは再現ドラマと研修医とのディスカッションです。突然病気になったひとが病院で診断、治療を受けるストーリーがドラマで再現され、その節々でスタジオの3人の研修医が私のような専門医といろいろと意見を交わす、という「つくり」でした。