NYの一流レストランでは男性も女性も同じトイレを使う
今年6月、僕が団長をやっている「六本木男声合唱団ZIG―ZAG」のカーネギーホール公演のため、久しぶりにニューヨークを訪れた。そのときに驚かされたことのひとつがトイレだ。
滞在中、一流と呼ばれているレストランで食事をして、帰り際に用を足そうとしてトイレに入ろうとしたところ、ご婦人と鉢合わせになった。「しまった! 間違えた!」と慌てて外に出たんだけど、女性用の表示はない。近くにいたスタッフにたずねたら、男性も女性もトイレは1つだという。性別で分かれていなかったんだ。
ただし、中は全部個室になっていて、手洗いや化粧直しも、すべて室内で終わらせられるようにできていた。もちろん音だって隣に漏れない。LGBTの人たちも含めて、みんなが平等に使えるようにしているそうだ。
これが今のニューヨークのスタンダードで、一流のホテルや大手企業でも、このスタイルが定着しているという。みんなが互いを気遣って暮らしているわけだ。弱肉強食の社会というイメージが強いニューヨークでさえ、マイノリティーに配慮するのが当たり前になっている。これが文明国の最先端の考え方なんだね。