東京五輪の「演出責任者」に狂言師・野村萬斎が就任のワケ
総合責任者が狂言師とは、意外な人選だ。
2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会が30日、オリパラ開閉会式の計4式典を統括する「チーフ・エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター(チーフECD)」に狂言師の野村萬斎(52)が就任すると発表した。
野村は昨年発足した「4式典総合プランニングチーム」のメンバー。「ALWAYS 三丁目の夕日」などで知られる映画監督の山崎貴、リオ五輪で「安倍マリオ」を演出したクリエーティブディレクターの佐々木宏、歌手の椎名林檎ら開閉会式の演出プランを作成するチーム8人の中で、野村が総合責任者に抜擢された理由は何か。
「組織委の森喜朗会長の後押しがあったと聞きます。野村さんは、組織委の『文化・教育委員会』のメンバーにも選ばれている。五輪の開閉会式で日本の伝統文化を発信するアイデアを出し合う目的で2015年に発足し、歌舞伎俳優の市川海老蔵さんやEXILEのHIROさんらも委員を務めていますが、野村さんはクリーンなイメージで、伝統芸能の担い手として日本文化を発信するのにふさわしい人。演出チームのトップにおさまりがいいと森会長のお気に入りなのです。また、馳浩元文科相の縁戚にあたるそうで、森会長と良好な関係を築いています」(文科省関係者)