江上剛氏を銀行マンから作家へと導いた井伏鱒二との出会い

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黒い雨(新潮文庫)

 あれは昭和47年、早稲田大学に入学して、しばらくしてのことです。雲の上の存在だった作家の井伏鱒二さんの自宅にいきなり訪ねていったのです。思い返せば、あの日があったから、今の自分があるんだなと思っています。

 当時、私は政経学部の学生でしたが、文学部出身の紅野敏郎教授の授業… 

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