なぜ「R65不動産」は“ポックリ物件”ばかり紹介するのか
前入居者が自然死した賃貸住宅を「ポックリ物件」と呼び、それ限定で紹介することを目指すネットサービスがある。その名も「ポックリ物件ドットコム」。今年3月のオープン以降、入居希望の問い合わせが約130件寄せられるなど、ちょっとした話題となっている。
運営するのは65歳以上のシニア向け物件を紹介する「R65不動産」。その背景には同社代表取締役である山本遼氏の、「不動産業界の悪しき慣習を変えたい」という熱い思いがあった。
なぜポックリ物件なのか。それを理解するためには、まずR65不動産起業の経緯から振り返る必要がある。大学を卒業した山本氏は2012年から3年ほど不動産会社で勤務した。そこで身をもって体験したのが、高齢者の賃貸物件の借りにくさだった。
「ある時、80代の女性が私のお店を訪ねてきたことがありました。その方は、ここでもう3軒目だと話していました」