30代の同僚女性に好みを聞くと「柏さんのような人」と…
私の本を読んだ50代の編集者がこんなことを言っていた。
「面白かったけど、女っ気がないね。女性警備員と浮いた話のひとつくらいなかったの?」
残念ながら私にはなかった。当たり前だろう。カネもない70歳を過ぎた交通誘導員に好意を寄せる女性なんているわけはない。とはいえ40歳前後の警備員同士が結婚した例を2組知っている。普通に働いている警備員はせいぜい月に20万円くらいしか稼げないが、夫婦になれば収入は倍になるのだから、そんな悪い話ではない。
今、交通誘導員全体に占める女性の割合がどの程度か正確な数字を知らないが、私の見たところでは2割弱といったところだろうか。もちろん女性でも50代以上が断然多い。
私が初めて警備員の募集に応じて研修を受けた時、22歳くらいの女性がいた。話を聞くと、彼女はその直前に銀座のクラブの1日体験ホステスにトライしたことがあるという。しかしマネジャーに髪の毛や服装はもちろん接客態度であれこれ注意を受け、すっかり嫌気が差した。そこで警備員、と考えたようだ。