総裁選は“2番手”岸田文雄氏が決選投票で逆転勝利濃厚…自民の墓穴に野党はシメシメ

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「やはり疫病神なのか」――。29日投開票の自民党総裁選で、河野ワクチン担当相が伸び悩んでいる。それは何より本人の資質の問題なのだが、菅首相が支持を明言したことが「不吉なジンクス」になったと嘆く声まで出始めた。

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 ◇  ◇  ◇

 河野陣営のひとりは「小此木さんの悪夢を思い出す」と言う。8月の横浜市長選で菅首相が全面支持を表明した途端、それまで圧勝とみられていた小此木八郎前国家公安委員長が苦戦し始めた一件。議員バッジを投げうって立候補した小此木氏は落選し、政界引退に追い込まれた。

 今回の総裁選も、当初は国民人気が高い河野氏が党員・党友票で圧倒し、1回目の投票で過半数を制して当選する可能性が囁かれていた。

 ところが、終盤情勢は河野氏がトップに立つものの過半数には及ばず、国会議員票を固めて2位につける岸田前政調会長との決選投票にもつれ込むのは確実だ。

「議員票は27日時点で岸田氏が130票超、河野氏は110票台を固め、90票台まで追い上げた高市氏が100票をうかがう勢い。議員票の比重が大きい決選投票になれば、2位・3位連合で高市氏の票が乗る岸田氏が断然、優位です」(キー局政治部記者)

岸田氏が勝てば笑うのは「2A」だけ

 決選投票では、安倍前首相の出身派閥である細田派はともかく、第2派閥の麻生派もまとまって岸田氏に入れる可能性があるという。河野氏は麻生派所属なのに、総裁派閥になるチャンスを捨てて相手候補を勝たせるなんて、もうメチャクチャだ。まったく派閥の体をなしていない。

 2位・3位連合で岸田氏が勝てば、安倍前首相と麻生財務相の「2A」がキングメーカーとしてデカイ顔をし、派閥はますます弱体化。2Aが党内を牛耳るだけのことだ。

「岸田総裁なら幹事長は麻生派の甘利税調会長、官房長官には岸田派の小野寺元防衛相という人事案も流れている。失礼ながら、あまりに華がない布陣なので、これで直後の衆院選で勝てるのかという不安はあります」(自民党若手議員)

 菅首相と変わらないくらい地味な新総裁なら、衆院選に向けて表紙を替える意味も薄れてしまう。当然、野党側は岸田総裁誕生の可能性が高まったことを歓迎している。

「野党にとっては、安倍支配を打破して河野総裁が選ばれるのが最悪シナリオ。人気者の小泉進次郎氏や石破茂氏が幹事長などの要職について選挙応援に駆け回ることになったら、野党は壊滅しかねません。その点、安倍傀儡の岸田政権なら戦いやすい。自民党政権では何も変わらないことの象徴ですから。野党共闘で掲げる脱原発も対立軸になるし、いい勝負ができると思います」(立憲民主党関係者)

■公明、維新との関係も微妙に…

 数の力で総裁選も押し切るつもりの「2A」は、党内で自分たちが影響力を保てればそれでいいのかもしれないが、一般有権者はしらけるだけ。衆院選で投票するのは自民党員だけではないのだ。

「2Aの影がチラつく岸田政権では、自民党が新しく生まれ変わった印象にならず、衆院選の負け幅をどれだけ減らせるか疑問です。公明党との太いパイプを持つ菅首相や二階幹事長が表舞台から去れば、自公の選挙協力も微妙になるかもしれない。岸田氏が新総裁に選ばれた場合、自民党は50議席くらい減らす可能性があります」(政治評論家・野上忠興氏)

 菅首相と友好関係にある日本維新の会も、“岸田首相”には協力できないだろう。衆院選で議席を減らした岸田自民は、その後の国会運営でも苦労しそうだ。

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