岸田首相が火を付けた“インフレ不満票” ショボい対策と消費税減税スルーで自ら逆風煽る

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 7月10日投開票の参院選が22日、公示された。最大の争点は物価高。岸田首相にとって、21日の政府の物価対策本部や党首討論はインフレ対策をアピールする好機だったが、あまりにもお粗末だった。有権者の失望を招き、怒りの火に油を注いでいる。

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 ◇  ◇  ◇

 21日午前、初めて開かれた物価対策本部で岸田首相は「生活に直結する物価動向を注視し、きめ細かく切れ目なく対応していく」と意気込んだ。しかし、示された対策はどれも、有権者ウケしなさそうなショボいものだ。

 輸入小麦の価格抑制検討は「10月以降」と間が空き、15日の会見でも触れていた。グリーン農業推進と肥料高騰への対応を組み合わせた制度や、節電した事業者や家庭へのポイント付与は複雑で遠回り感は否めない。猛暑の中、「ポイント目当てに節電しろ」なんて酷な話だ。

 野党7党が掲げる消費税減税の方が、よっぽどシンプルで分かりやすいが、午後の党首討論で岸田首相は「消費税減税は考えません」と一蹴。聞き捨てならないデタラメ発言が飛び出した。

「消費税は法律上、社会保障目的税として位置づけられています」

 ネット上では〈目的税ではなくて何でも使える普通税〉〈一般財源でごちゃまぜになってるだろ〉〈ウソを垂れ流すのはダメですよ〉と批判が吹き荒れている。

国民をミスリードする問題発言

「岸田首相が消費税を社会保障目的税と断言したのは、国民をミスリードする問題発言です。確かに消費税法上、使途は社会保障や少子化対策と規定されており、目的税のように錯覚しがちですが、法人税や所得税と同じく一般財源です。実際には、消費税は国の借金返済や社会保障以外の歳出に充てられています。この規定自体、国民を欺くために設けられたと考えられます」(税理士で立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏=税法)

 2019年1月の衆参本会議で安倍首相(当時)は「(消費税の)増税分の5分の4を借金返しに充てていた消費税の使い道を見直し」と漏らしていた。

「もともと、消費税は直間比率の見直しから導入されたものです。つまり、お金持ちに不利な法人税や所得税など直接税を減税し、その穴埋めに低所得者ほど負担が重い間接税の消費税を充てたのです。物価高騰の中、有権者は消費税について改めて見つめ直しています。社会保障の安定財源との説明に疑問を抱く有権者が増えれば、与党には逆風になるでしょう」(浦野広明氏)

 物価が1%上がれば、年間の消費税負担は約2000億円増えるとの試算がある。公示前日に浮き彫りになった岸田首相のセコいインフレ対応と消費減税スルー。値上げラッシュに苦しむ有権者の怒りは収まらない。

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