ネコちゃんワンちゃンの採血部位はどこが適切? 動物にストレスを与えないことが最優先

公開日: 更新日:

 ある人は「頚静脈は太く、採血しやすい」といいます。確かに採血のしやすさはありますが、頚静脈の太さは大型犬でもネコちゃんほどで、首を重視する理由としては弱い。別の学生はより踏み込んで「針を太くできるので、溶血しにくく、正確なデータを得られる」と解答。ネコちゃんに細い針で採血すると、赤血球が壊れやすいのは事実ですが、街の動物病院でデータの正確性にこだわることはあまりありません。

 では、正解は? 頚静脈採血だと、ネコちゃんもワンちゃんも上を向きます。その視線の先には看護師や補助スタッフがいて、優しく包み込みながら声をかけてくれるのです。採血する獣医師の姿や注射器は、視界から外れます。つまり、「注射器や獣医師が見えず、動物がストレスを感じることなく、怖がらない」が正解です。

 愛玩動物看護師が国家資格となって幅広い知識を持つ学生が増えることは好ましいですが、それで動物に寄り添って考えることがおろそかになっては本末転倒でしょう。お尻が汚れていたらためらわずキレイにしたり、痛そうなところを触って「先生、ここを触ると痛がります」とアドバイスしてくれたり。愛玩動物看護師に大切なのは、学問的な理屈より飼い主さん目線で動物に寄り添う気持ちだと思います。

(カーター動物病院・片岡重明院長)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」