著者のコラム一覧
鎮目博道テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人

テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人。テレビ朝日で社会部記者を経て、報道・情報系を中心に番組ディレクター、プロデューサーを務め、ABEMAの立ち上げに参画。2019年8月に独立。近著に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)、『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)、メディアリテラシーについての絵本『それウソかもよ? うちゅうじんがやってき た!のまき

奥渋谷で行列をつくった伝説の店主が韓国ソウル「タッカンマリ通り」に挑む

公開日: 更新日:

 かつて奥渋谷に若者たちの大行列を毎日作り、待ち時間1時間超えの「伝説の店」と言われた「韓国トン一」をご存じだろうか。あまりの過剰サービスに、1品しか注文できない店だった。

 サムギョプサルを頼んだだけなのに、小皿のおかずやサンチュだけでなく、スンドゥブチゲ、チヂミ、おかゆ、目玉焼き、天ぷら…次々サービスが出てきてお腹がいっぱいになってしまう。そして韓国海苔やパック、韓国サイダーなどのお土産までくれるびっくりサービスの店だった。ほとんど儲けは残らず、店主のチェ・スンウクさんはほぼ無給のまま出血大サービスを続けた。そういう人だ。

 奥渋谷で一番人気の店と言われながらも、大行列のまま2022年9月に突然姿を消した。理由は「人手不足」。コロナ禍の影響で外国人従業員の数が少なくなり、店員さんの確保ができず賃金も暴騰したからだ。営業最終日、超満員のお店で、チェさんはお客さんに笑顔でお礼を言いながら、お店でいずれ使うはずだった新品の皿や鍋などをお土産として配っていたのが深く印象に残っている。

 故郷に戻ったチェさん。全羅北道の実家で年老いた母親の面倒を見ながら、2年近く静かに過ごしていた。そしてとうとう再チャレンジすることを決めた。

「若い頃日本に渡って、日本の飲食業界で多くのことを教わりました。私は韓国人ですが、私のサービスは日本流です。」

 ソウル・東大門にある通称「タッカンマリ通り」。日本人をはじめとする外国人観光客が多く訪れる場所だが、状況は甘くない。大人気の有名タッカンマリ店が密集し、しのぎを削っている場所をあえてチャレンジの地に選んだ。店名は「韓国の真ん中に”民”がいますように」という願いを込めて「韓民国」とした。日本語では「ハミング」と読ませる。嬉しくて思わずハミングしたくなるような店にするのだという。

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