50歳夫が母のモラハラを認めないワケ。妻のストレスは“更年期”のせいだと思ってる?

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コクハク

50歳、実母は毒舌キャラ

 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人差があります。ひとつの出来事への解釈や目的が、男性と女性では異なる場合もしばしば。男性と女性では、夫婦のあり方への認識が大きく異なる場合も。

 魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな男女の“冷酷” と“激情”のあいだを垣間見るエピソードをお届けします。

【冷酷と激情のあいだ~男性編~】

「う〜ん…。モラハラはそりゃあダメですよね、いいか悪いかって聞かれれば、“悪い”です。それは間違いありません。でもね、妻はもともと人の言葉尻を細かく受け止めて、ぎゃあぎゃあ騒ぎ立てがちなんですよ。

 確かにウチの母親は、ビシッと物事を言うタイプなので言葉がキツいところもあるのは認めます。でも、楓をいじめようとして言っているんじゃないし、むしろ母親は楓を気に入っています。

 母は、自他ともに認める“毒舌キャラ”。それに冗談っぽいトーンで話しているし、俺から見るとまぁ許容範囲かな」

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基本母親の言うことはスルー

 ヨシナリさんから見ると、妻の楓さんは「神経質すぎる」そうで、だからこそ母親の言葉にも敏感に反応しているのではないかと推測します。

「いや〜、もちろん母親の言葉がもっと優しければ、それが一番いいんでしょうけど。あの年齢で性格を変えるのも難しいですし、母親はきっとあのままでしょうね。

 だから俺や俺のきょうだいは、母親から何を言われても、聞き流してますね。妻は…、やっぱり他人だからですかね?

 結婚当初はうまくスルーしてくれて、これなら母親ともうまくやっていけるなって安心していたんですけど。最近になって『我慢できなくなってきた』って言われちゃって、俺も困っているんです」

母親に頭が上がらない

 つい先日、妻から『義母にビシッと言ってほしい』と頼まれたヨシナリさんは、彼女の要望を受け入れることができず『これまでと同じように、スルーしてほしい』と話したとのこと。

「俺が母親の毒舌をたしなめたところで、多分変わらないですよ。しかも俺、30代の頃に大きな借金をして、それを母親に肩代わりしてもらっているんで…。頭が上がらないんですよね。

 もちろんひどいモラハラだったら、俺からも言いますよ? でも、今の感じだとそんなに深刻じゃない気がするんです。なので、できることなら、このまま妻にスルーし続けてもらいたいっていうのが本音です」

更年期が抜けたら…

 ヨシナリさんは、妻が更年期に入り始めていることは理解しているそう。

「『最近はイライラが止まらない』と言われましたし。実際、いつもピリピリしてるんですよね。まぁ、更年期が抜けるまでの辛抱なんじゃないですか?

 楓には悪いけど…。やっぱりスルーするのが一番賢い選択なんじゃないかなって気がするんですよね…」

◇ ◇ ◇
 恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

(並木まき/ライター・エディター)

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