二木啓孝
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二木啓孝

1949年生まれ。鹿児島県出身。明大中退。日刊現代ニュース編集部長を経て、日本BS放送取締役・解説委員。

ゲスト江上剛さん<上>井伏鱒二先生には可愛がってもらった

公開日: 更新日:

江上 丹波の田舎育ちですので、小さいころから祭りや伝承ごとになじんでいたこともあり、学生時代(早大)、サークルで民俗学をやっていました。最初に行ったのは伊勢湾の神島。潮騒の舞台の島です。長野県の(阿南町)新野の雪祭りに行き、お年寄りに村の伝承や昔話を取材したこともありました。今回の小説にも伊良部島の伝承や歌がいっぱい入っています。

二木 そんな江上さんが銀行員を経て作家になられたわけですが、作家活動の原点はどこにあるのでしょうか。

江上 高校時代、文芸部で詩や戯曲を書いていました。早稲田(政経)の1年生の時、井伏鱒二の論文を書くことになり、ご本人に会ってから書こうと思っていました。そのとき、参加するはずだったデモが中止になり、文学部の公衆電話から電話したところ井伏先生が直接出られて“今から来なさい”となったのです。お宅に伺うと、ジョニ黒を勧められ、鰻重まで取ってくれました。食事の後、書斎で太宰の話とかいろいろしてくださった。“太宰は小説を持ってくるとき、いつもピンクのリボンで縛ってきた”とかね。それ以来、お付き合いさせていただき、富士見の別荘にも行ったりしました。本当に可愛がってもらいましたよ。

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