小林佳樹
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小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

厚労省の「年金運用利回り」はまるで“絵に描いた餅”だ

公開日: 更新日:

「また、絵に描いた餅に終わりかねないですね」

 金融機関の幹部がこう呆れるのは、厚労省が想定する公的年金の運用利回りだ。我々国民の老後を支える公的年金。その運用状況は5年ごとに見直されることになっており、今年が見直しの年に当たる。「財政検証」と呼ばれるもので、公的年金を所管する厚労省が経済成長性や労働参加率を基に予想される運用利回りについて、いくつかのシナリオを提示し、専門家の議論を経てメインシナリオが決定される仕組みだ。 

 今回の財政検証で、厚労省が提示した将来シナリオは6つ。まず経済成長と労働参加が進むとするシナリオが3つ、一定程度進むとするシナリオが2つ、そして進まないとするシナリオが1つ示されている。このうち経済成長と労働参加が最も進むことで、最も高い運用利回り(名目)が期待できる楽観シナリオは生産性上昇率1.3%、実質成長率が0.9%、物価上昇率が2.0%で、運用利回りは5.0%と見積もられている。

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