不気味な円安進行と連動 実は戦争リスクで有事のドル買い
円安傾向がジワリと浸透している。ドル円相場は10月上旬に1ドル=106円台だったが、先週は一時109円台半ばまで円安は進行した。
「株価にはプラス材料といえますが、どうも不気味な感じがして仕方ありません。円安というより、ドル高といったほうがいいでしょう」(株式評論家の倉多慎之助氏)
米FRB(連邦準備制度理事会)は10月下旬に、政策金利を0・25%引き下げた。
金利差縮小は円買い(円高)につながる材料なのに、反対の円安へ振れている。
「確かに為替相場にとって金利差は重要な要素です。ただ、ここ最近の動きを見ていると、別のテーマが見え隠れしているように思えます。ひと言でいえば『有事のドル買い』です」(金融関係者)
武力衝突が連想されるようなニュースが流れると、かつてはドルが猛烈に買われた。だが、ここ数年は「有事の円買い」も加わるようになり、中東や北朝鮮などで軍事衝突が連想される場合は、円高傾向が出現していた。