第3次世界大戦の足音が聞こえる
■領土、領海、資源をめぐる中口の傲慢
英国のチャールズ皇太子がロシアのプーチン大統領について、「ヒトラーと全く同じことをしている」と指摘したそうだ。訪問先のカナダで、ホロコーストによって親族を亡くしたユダヤ系移民の女性に話を聞いた際、プーチンをヒトラーになぞらえたらしい。
プーチンは武力を背景にウクライナのクリミア半島を併合した。オーストリアを併合し、チェコスロバキアやポーランドに侵攻したナチスのヒトラーに重ねるのは、無理からぬことかもしれない。
そのプーチンが先日、中国の習近平国家主席と首脳会談を開いた。両者はがっちりと握手。共同声明では、「第2次世界大戦後の国際秩序を壊そうとするたくらみ」への反対を明記したと報じられている。
もっとも、クリミアを併合したプーチンと、東シナ海や南シナ海で力を誇示する習近平に、国際秩序を守る考えがあるとは思えない。隣国が何と言おうと、領土や領海を自分に都合がいいように解釈し、資源を確保するのは当然の権利という態度である。その価値観は西側先進諸国とは相いれないものだ。