松本剛明氏の離党がトドメ 民主党の“液状化”は止まらない

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 もはや民主党は解党するしかなさそうだ。今月25日の宮城県議選は、安保法案成立後、初の大型地方選だったが、民主党は批判票の受け皿になれず大惨敗。「国民連合政府」構想を掲げる共産党が大躍進したのと対照的に、大きく議席に減らした。

 27日、岡田克也代表は「民主党が風を受け切れていないのは事実」と認めたが、こうなった責任は当の岡田代表にある。辺野古移設に「今さら反対できない」と言って野党共闘に加わらず、共産党の呼びかけにも「ハードルが高い」と難色を示して、世間の関心に冷や水をぶっかけた。

“民主党はもうダメ”と誰もが思っているところに、トドメになりそうなのが、松本剛明元外相の離党だ。松本氏は「私自身の道を選ぶために党を離れることを決意した」と格好つけていたが、要するに沈みかけたドロ舟からサッサと逃げ出したということだ。2年前、外務副大臣まで務めた山口壮氏が民主党を離党したが、松本氏の脱党劇が与える衝撃はもっと深刻だ。

 政治評論家の伊藤達美氏が言う。

「外務大臣、政調会長などの要職を歴任した松本氏が離党したことで、民主党内はますます浮足立つと思います。彼は選挙が強いので無所属で活動する方針ですが、比例復活でバッジを着けているような民主党議員たちは、“埋没”に危機感を募らせ、勝ち馬に乗ることしか頭にない。維新の党ではありませんが、年末にかけて、政党助成金目当ての分裂騒動や離党が相次ぐかもしれません」

 どちらにせよ、民主党の液状化は避けられない。「国政選挙でも野党が本格的に選挙協力すれば、もっと大きな流れになる」(志位委員長)と共産党が秋波を送ってくれているうちに、さっさと岡田氏を代表から引きずり降ろすしかないのではないか。

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