渋谷最終演説で垣間見えた 石破陣営「正直、公正」の限界
総裁選一騎打ちの最終日。19日、東京・渋谷のハチ公前広場で、午後6時から始まった石破茂元幹事長(61)の演説会は盛り上がりに欠けた。
竹下亘総務会長ら石破支持の議員が応援に駆けつけ、「最後のチャンス」と気炎を吐いたが、観衆の反応はいまいち。陣営は聴衆「約3000人」と発表したが、開始時間前から会場に到着し、まともに話を聞いていたのは、多く見積もっても300人程度。
都内きってのターミナル駅前の帰宅ラッシュと重なり、大混雑に「ジャマや」「何だ、石破か」と悪態をつく人もいた。演説に足を止めても、スマホでパシャリと撮影して立ち去っていく人がほとんどだった。
聴衆に目を向けると、石破氏の演説を熱心に聞いている女子高生の姿が。「政治には興味ないけど、石破さんのことは面白くて好きなんです」と、スマホの待ち受け画面にする石破氏の写真を見せてくれた。意外や若い女性に人気があるのだろうか。
混雑に乗じて、陣営スタッフは待ち合わせ中の人や通りすがりの人にも石破氏の写真入りのうちわを配って、「イシバ! イシバ!」と石破コールを呼びかけたが、応じたのは酔っぱらった外国人だけ。最も盛り上がったのは、演説が終わった後。選挙カーを降りた石破氏に握手や自撮りのツーショットを求めて人が殺到。このミーハー人気は既に投票を締め切った党員票の掘り起こしにはつながらない。