「父が牛飼いになった理由」河﨑秋子著

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「父が牛飼いになった理由」河﨑秋子著

 北海道で生まれ育った直木賞作家の実家は酪農家。家族経営の牧場は、満州で生まれ、大阪で育った元公務員の父・崇が、脱サラして始めたもので、現在は長兄が継いでいる。父がなぜ安定した仕事を辞め、酪農家へと転身したのか、著者は幼い頃から疑問だった。しかし、父は66歳で脳卒中による高次脳機能障害を発症。現在83歳になるが自我と記憶を失い、何も語ってくれない。そこで、著者が自ら調べ、つづった河﨑家のファミリーストーリーが本書だ。

 家系図や古文書を頼りに約400年前まで遡ると、父方の家系は金沢の武士階級だったと判明。以降、薬剤師だった父方の祖父・昇とお嬢さま育ちの祖母・美津子の結婚から、父が北海道に移り住み、酪農家になるまでの一族の物語をたどる。 (集英社 1100円)

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