「私たちは何を捨てているのか」井出留美著
「私たちは何を捨てているのか」井出留美著
日本では年間4兆円、世界全体では2.6兆ドル分もの巨費が食品ロスによって失われているという。さらに生ごみの処理費用として年間8000億円の税金が使われているが、その税金は私たちには直接関係ない小売企業の食品ロス処理費用にも回されている。
例えばコンビニから出た食品ロスは、多くの自治体で「事業系一般廃棄物」として回収され、家庭ごみと一緒に焼却処分される。処理費用はコンビニ加盟店も負担するが税金も使われており、ある自治体では、その処理に1キロ当たり61円の税金がかけられている。これはコンビニに限らず、食品スーパーや百貨店、飲食店、ホテルについても同じことが言える。
こうした食品ロスの実態と税金の不都合な真実を明らかにしたリポート。 (筑摩書房 1012円)