「極道酒場」安達瑶著
「極道酒場」安達瑶著
帰宅途中の営業マン・西岡は、「めしとさけ」と書かれた赤ちょうちんをさげた店が気になる。店をのぞこうとしたその矢先、引き戸を破って柄の悪い男が転がり出てきた。大将と思われる男が塩をまき、どこからともなく現れた女性が裏からスペアの引き戸を入れて掃除をして、何事もなかったように店が再開される。
声をかけられ店に入った西岡は、噺家や現職の刑事だという常連客から店の作法を教えられる。どうやら大将は元ヤクザの組長らしい。しかし、大将の作る料理はめっぽううまく、料金も安い。西岡も常連の仲間入りして1カ月後、酒を飲んでいた客の老人が突然、泣き出す。聞くと、投資詐欺やパパ活で老後の資金を失ったという。
大将が絶品料理と剛腕で事件を次々と解決するエンターテインメント。 (角川春樹事務所 946円)