高野孟
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高野孟ジャーナリスト

1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

合計三歩も後退したところから出発する改憲論議の前途多難

公開日:

「読売新聞」10月5日付の1面トップは「改憲案、自民単独で提示/臨時国会/与党協議見送りへ」の大見出しだった。一般の読者がこれを見れば、「おっ、安倍さんもいろいろ難題を抱えて大変だが、改憲に関しては頑張って突き進むつもりらしいな」と思うかもしれない。しかし、それは誤解である。憲法族の野党議員が次のように解説する。

「安倍は本当は、事前に公明党と調整し、与党としての改憲原案を衆参両院の憲法審査会に提出したかった。それでないと、とうてい来年の参院選前(すなわち改憲派が3分の2議席を失う前)に国民投票を発議することなどできない。ところが公明党は、いま9条改正に手を染めたら学会組織が崩壊するから応じない。そこで一歩後退して“自民単独”になった。そのうえ自民が出すのは、12年の野党時代に公表した党としての正式な改憲草案ではなくて、安倍が昨年5月に個人的に読売新聞などに発表した4項目のメモみたいなものだから、内容面でも一歩後退になる。そうなると、憲法審査会の審議に堪えうる草案として“提出”することは諦めざるを得ず、代わりに、そのメモみたいなものを“提示”することになった。提示というのはプリントを配布して説明するだけだから、さらにもう一歩の後退――というのが読売の見出しの意味です」と。

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