時事芸人プチ鹿島 “信用のおけるゴシップ”を楽しむ余裕を

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 新聞読み比べを芸の域に昇華させ、テレビ・ラジオのレギュラーは週7本、雑誌やウェブなど連載コラムは月15本を誇る。本紙の猛読者で愛情を込め「ゲンダイ師匠」と呼ぶ時事芸人のプチ鹿島さん(48)が、おかしなニッポンの現状を独自の見立てで掘り下げる。

■「言葉を大事にする保守は消えた」

  ――弊紙も含め新聞を計12紙購読しているそうですね。

 午前中2時間かけて一般紙とスポーツ紙を読みます。そこで基本のネタを確認し、夕刊紙がどう面白く切り口を変えてくるかなとワクワクして待つ。ゲンダイ師匠の情報はカロリーたっぷり。一般紙はカロリー高めのメインディッシュを楽しむ前の前菜なんです。

  ――励みになります。

 購読紙の半分以上はデジタル版ですが、紙面ビューアーで読むようにしています。ネットだと記事が並列化し、つい読みたい記事だけを選んでしまう。それだと新聞の意味がない。実際に各紙を並べ、何を1面に持ってきたか、同じ1面でも右か下かで扱いが分かる。同じネタを扱っても見出しの表現や配置が全然違う。そこに論調や個性の違いがあるから、新聞は面白いのです。

  ――1日に12紙読むのは大変じゃないですか。

 いやあ楽だし、楽しいですよ。学生時代は1紙だけで、朝のうちに一字一句読まなければってプレッシャーが面倒でやめました。今は各紙の見出しにサッと目を通し、興味ある社説やコラムをチェックして後でじっくり読む。池上彰さんも同じ読み方と知り、「これでいいんだな」と。独学でたどり着いたんです。

  ――一般紙を読み直したのは、週刊誌の「朝日ネタ」がきっかけとか。

 文春・新潮は朝日新聞をおちょくるネタが多い。それが面白くて、どうせならネタにされる前の真っさらな朝日を読んだ方がいいなと。「これはツッコまれるぞ」と逆算し、週刊誌がかみつけば「やっぱり」とニヤニヤできる。そういう楽しみ方を覚えたんです。

  ――最近は保守論壇の朝日叩きが常軌を逸しています。「新潮45」の杉田水脈議員のLGBT差別寄稿も「日本を不幸にする『朝日新聞』」という特集のひとつでした。

 自分の保守の定義は「言葉を大切にする人」。以前は保守系雑誌に西部邁さんや江藤淳さんら重鎮が寄稿し、言葉を尽くした見事な屁理屈芸に読んでいる側もニヤニヤできました。今は憎悪や嘲笑をぶつけているだけ。差別でメシを食っているとしか思えません。

  ――単なる殴り合いのようです。

 しかも背後から殴っている感じ。ヘイトをぶつけても、朝日もどうってことない。相手にしなくていい言説ですから。読み手もつまらない。杉田さん擁護の小川榮太郎氏も同じ。自分の思想に合う人しか読まない媒体では、何を書いても「安全地帯」という感覚だったと思う。でも今の時代、あまりにヒドイと、すぐSNSで可視化される。ネトウヨ的なのに、なぜネットに弱いんだと声を大にして言いたい。まっとうな保守の論客不足は不幸なことです。

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