保阪正康
著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

都合290回に及ぶ特攻作戦 約4000人のパイロットが散華した

公開日: 更新日:
フィリピン・パンパンガ州のマバラカット東飛行場跡にある神風特攻隊の記念碑(2014年10月25日撮影)/(C)共同通信社

 特攻作戦についての不明朗さは極めて簡単な表現で語ることができる。特攻作戦は大西瀧治郎によって発案され、実際に実行されたのだという神話である。

 確かに大西は積極的にこの作戦を進めた一人ではあるが、しかし大西だけでこの作戦が全て行われたわけではなかった。むしろ大西の声が大き…

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