高野孟
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高野孟ジャーナリスト

1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

人類のために五輪開催を諦めるという転換はできないのか

公開日: 更新日:

 菅義偉首相は「東京五輪」を何としても開催し、それを背景として今年9月の自民党総裁選で再選を果たし、長期政権を目指したい。そのために最後の望みを託しているのが新型コロナワクチンの接種拡大で、それ専任の担当大臣に河野太郎を任命して「まだか、まだか」とせっついている。

 2月12日には、ファイザー社のワクチンの日本向け第1便がようやく届いたものの、それで2月下旬に始まるのは医療関係者1万人への1回目の接種で、この調子では夏までかかっても医療関係者約400万人への2回目の接種を終えるのも難しいのではあるまいか。

 自民党の中堅議員が言う。

「そうなると、何をしているんだ、札束で製薬会社の頬を叩いてでも早くワクチンを確保しなきゃダメじゃないか、という日本第一主義が高まるんでしょうが、ここは冷静になって考えたほうがいい。世界レベルで見たワクチンをめぐる本当の問題は、WHOのテドロス事務局長が言っているように、これまでに接種された1億2800万回分のワクチンの4分の3以上が、世界のGDPの60%を占めるわずか10カ国で接種されている。今日現在、25億人の人口を抱えるほぼ130カ国ではまだ1回目のワクチン接種も行われていない。リッチな国々がいくら金にあかせて自国分だけを優先確保しようとしても、世界が収まらなければコロナ禍は終わらないんですね。ここはつまらぬ国家エゴを捨てて、ワクチンの製造技術、ノウハウや知見を公開し、知的財産権も一時的にオープン化して、途上国を含めて世界中のできるところで、どこでもワクチンを増産する国際的な枠組みをつくらなければならない。その際には、NYタイムズ2月5日付電子版が書いたように、すでに欧米製に劣らない成果を実証しつつある中国製やロシア製、それにこれからはインド製のワクチンも視野に入れなければならないでしょう」と。

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