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吉田賢フリーアナウンサー

1960年、広島県尾道市出身。83年にNHKに入社し、87年から大相撲中継を担当。以来、定年退職した2025年5月場所まで、実況アナとして活躍した。高校野球、メジャーリーグ、オリンピックなど相撲以外のスポーツ中継歴も豊富。出身地にちなんで「しまなみ親方」の愛称で親しまれている。

綱とり安青錦は? 横綱大の里の逆襲? 相撲実況歴38年、元NHK吉田賢アナが3月場所を占う

公開日: 更新日:

 相撲実況歴38年、「しまなみ親方」の愛称で親しまれる吉田賢アナウンサーが、大相撲本場所に鋭く切り込む

  ◇  ◇  ◇

 さあ初日を迎える大相撲3月場所。果たして、安青錦の綱とりは成るか──。彼はあれよあれよという間に次々と関門を突破してしまった。昨年9月場所、横綱大関と、前頭上位の実力者に挟まれる新三役で2桁白星。翌11月場所は新関脇で初優勝。そして先場所、よりプレッシャーのかかる新大関でも優勝を遂げた。安青錦の精神力は相当に強い。加えてこの間、前傾姿勢の取り口は安定度を増している。綱とりという最高の緊張の中でも、崩れることはまずないだろう。

 しかしそれでも、綱とりの条件となる「優勝かそれに準ずる成績」をあげるのは微妙だと見ている。どういうことか。

大の里が優勝ラインを引き上げる

 今場所、横綱大の里の状態は上向いている。私の優勝予想の本命は大の里だ。昨年の11月場所で痛めた左肩の影響が指摘されるが、大の里本人は、「先場所(1月場所)の段階でも肩の不安はさほどなかった」と言っている。中盤に3連敗と脆さを見せたのはむしろ、場所前の調整がかなり急ごしらえで、そのひずみが出てしまったからだという。

 今場所は、万全とは言わないまでも先場所に比べてはるかに順調で、手ごたえも感じているようだ。

 しかも大の里には心の成長もある。先場所、周囲から途中休場を勧められても出場し、終盤にかけては連日上位陣を破り、優勝の可能性を残して千秋楽を迎えるまでに盛り返した。調整が万全ではなかった中でのこの“活躍”は大きな自信になったに違いない。

 心が一段と養われ、コンディションも整った大の里は今場所、恐らく優勝ラインを上げてくる。13勝、いやそれ以上の高レベルになるかもしれない。

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