著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

シリーズ「占領下の日本社会」(93)京大天皇事件の深層…GHQや政府による巧妙な「テストケース」となった巡幸

公開日: 更新日:
京都大構内で、昭和天皇の御料車(空車)を囲む学生(1951=昭和26=年11月12日、京都市)/(C)共同通信社

 天皇の車が構内に入ってきた時、プラカードを掲げた学生たちが車を取り囲む形になった。混乱の始まりである。その衝突の細部を詳述するわけではないが、この混乱は巡幸の中でも例外的な意味を持っていた。いわば、天皇の戦争責任を問う形になっていたといってもいいからだ。

 それだけに、京… 

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