著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

「懐かしいなあ」と言いながら、殺意で首を締めた元兵士が抱える隊内暴力の闇

公開日: 更新日:
日中戦争。機関銃をかまえる日本兵士(C)Robert Hunt Library/Mary Evans/共同通信イメージズ

 戦場に出てみて、自分たちはつまりは「死」の世界にいるのだと兵士たちは気がつくのである。戦記文学はそのような過酷な状況での人間の運命を描いている。

 五味川純平の「人間の条件」(昭和31年)は、そうしたテーマを描き切った歴史的名作である。私は高校生の時に、この作品を読んで軍… 

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