(31)施設見学するも…どんどん無口に。そして恨み節炸裂

公開日: 更新日:

 有料老人ホームの下見は期待外れだった。最後に訪れたCだけは入所者の笑顔を見る機会があったけれど、ほかはおかんにダメ出しされるだろう。とはいえ、老健に入所してすでに2カ月。早ければあと1カ月で退所を打診されるはず。時間がない。こうなったら当たって砕けろ。兄と相談の上、「今度久しぶりに外でメシでも食って、そのついでにちょっと見学してみようよ」。

 ランチをメインに、あくまで見学はついでのニュアンスで外に連れ出すことにした。

 約束の日、老健に行くとしっかり外出着に着替えて待っていた。第一関門突破。まずは車で自宅近くの中華レストランに入る。おかんはラーメンと餃子を食べながら、「味の濃い食事は久しぶりだ。おいしいよ」。

 ニコニコが消えないうちに有料老人ホームのBに連れて行った。

 予約していたので下見の時と同じ、スーツ姿の女性が営業スマイル満開で館内を案内してくれた。その間、歯の浮くようなお世辞を並べ「お母さまには当施設がピッタリですよ」なんて能天気なセールストークをしてくる。嫌な予感がした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「24時間テレビ」SixTONES起用もマラソン募金額46%減で“旧ジャニーズ一極集中”は終焉へ

  2. 2

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 3

    NHK出演にSNSでは抗議の声も…彬子女王と伊藤穰一氏をつなぐ「裏千家」とブータン王室の深い関係

  4. 4

    (2)「おニャン子クラブ」の二の舞いを回避した「順位付け」という競争原理はグループを飛躍的に活性化させた

  5. 5

    「タンス預金2000万円」相続税はどうやってバレる? 税務署が追う“亡き親の出金”

  1. 6

    一発で免許停止も…9月から法定速度改正「時速30キロ」生活道路の見分け方

  2. 7

    水前寺清子(1)作詞家・星野哲郎への恩と愛称「チータ」誕生の理由

  3. 8

    自民党内に内閣改造の“タマ”がいない…女性閣僚「目玉不在」に高市首相が“苦悶”

  4. 9

    24時間マラソン完走後にSNSで“陰謀論”が拡散 星野真里に上がった「車移動説」のお粗末

  5. 10

    止まらない「人手不足倒産」…8月は過去最多を記録、もはや“ブラック企業”は成り立たない