萩本欽一〈38〉長嶋茂雄さんの「陰の努力」をなぜかみんなが知っている不思議…その理由が分かった
作家・増田俊也氏による連載、各界レジェンドの生涯を聞きながら一代記を紡ぐ口述クロニクル。待望の第2弾は、「視聴率100%男」として昭和のテレビ界を席巻したコメディアンの萩本欽一氏です。
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増田「長嶋さん、王さん、野村さん。野球への情熱がみんな半端ないですね」
萩本「面白いことがあってね。長嶋さんってね、インタビューしても、いわゆる伝説になってる行動を、そういうことをやったって絶対に言わないんだよね。長嶋さんがショートの球を捕ったって、まわりは言ってるけど本人は言わない。不思議なのは、長嶋さんが努力したってのを、長嶋さん本人が言ってるんじゃないですよね」
増田「そうですね」
萩本「そうなの。たとえばみんな『長嶋さんって偉いよね。だってさ、三振のときお客さんに見せるものがないからって、陰でヘルメット飛ばす練習してたんだよ。すげえよね』って言うでしょ。陰でこっそりやってるはずなのに、なんでみんなが見てきたように言うんだろ。それで俺は答えを出したんだ。人のいないところで努力するってのが実は間違い。まったく見えない努力は無駄な努力になる。陰の努力を誰かがそっとのぞけるような隙間だけはあけとけってこと。王さんだってね、陰で隠れて一本足の練習してたって言うじゃない? でもちゃんとライト向けられてその様子を映してたよね、テレビとか新聞が。それで畳がすり切れて破れたとか」
増田「少し隙間をあけておく」


















